樹と幹と

大功建設 社長 大瀧浩司のブログ。家のこと、木のこと、子どものこと・・・日々の想いをつづります。

大功の家づくり紹介②(構造編)

今年初めての投稿になります。
本年もよろしくお願いいたします。

能登半島地震により犠牲となられた方々の
ご冥福をお祈りするとともに、
被災された皆様、そのご家族の方々に
心よりお見舞い申し上げます。

ニュース等で報道されているように
今回の地震でも多くの建物が倒壊しました。
2020年頃から続いている活発な地震活動の影響で
柱がずれたり土壁が崩れたりと被害が蓄積して
地震に耐えうる力が低下していたとのこと。

また、耐震基準を満たしていない建物が
被害が大きかった珠洲市では51%(2018年末)と
全国平均の87%を大きく下回っていたそうです。
<YAHOOニュース>

映像を見る限り、1階が押しつぶされる形で
倒壊している建物が多く見受けられました。

Googleマップで見ても家の開口率が高く
1階の耐力壁となる壁が少なく
重い瓦屋根と
地震に対してマイナスな要因が多かったと
推測できます。

耐震基準が定められた昭和56年以前の建物は
県の補助を受けての耐震改修をお勧めしますが、
問題なのは、耐震基準が定められた以降の建物。

えっ!

と、思われる方も多いかと思いますが、
耐震診断を行うと基準を満たしていない家
つまり評点が1.0未満の家がたくさんあります。

理由を簡単に説明しますと
木造の2階建てくらいの建物であれば、
確認申請の構造審査を省略しますよという
いわゆる「4号特例」というものがありますが、
確認申請の構造計算をしなくても良いと
勘違いして設計してしまった家が多いからです。

設計者が構造チェックさえしてくれれば
計算書までは提出しなくても良いですよと
捉えるべき所を
提出しなくてよい=計算しなくてもよい
と、いいように解釈していたとのこと。

この「4号特例」は2025年4月に縮小して見直され
一般的な木造2階建ての建物にも
新たに構造関係規定の図書と
省エネ関連の図書の提出が義務付けられます。

書類の提出が義務付けられれば安心か?

答えは、Noです。

皆さんご存じの通り、耐震等級には
耐震等級1,2,3の三段階あります。
<耐震等級とは>
確認申請では耐震等級1を満たしているのか
の審査になります。

耐震等級1は、数百年に一度程度の地震
(阪神淡路大震災や熊本地震の震度6強・7クラス)
に対して倒壊や崩壊しないとされています。
つまり、倒壊はしないけど損傷はあり、
とりあえず逃げて!住めなくなるけど!
な状態です。

耐震等級2は、耐震等級1の地震力の1.25倍の
地震にも耐えられる耐震強度の水準です。
長期優良住宅は2以上が求められます。

耐震等級3は、耐震等級1の地震力の1.5倍の
地震にも耐えられる耐震強度の水準です。
地震後に住み続けることが出来る場合が多いです。

熊本地震では震度7が2回も短時間で起き、
多くの建物が倒壊しました。
今回の能登半島地震でも、2回目の地震にて
倒壊した建物が多かったと思われます。

耐震等級は、1回の地震に耐えることを想定していて
2回以上の地震力を想定したものではありません。
つまり、ギリギリの耐震性能では、
本震後の余震すら耐えられないかもしれません。

複数回の地震にも耐えうる耐震等級3は
最低限クリアーさせるべきだと私は考え
大功の家では耐震等級3は必須条件としています。

開放的な大きなリビング、開放的な窓も
しっかりと計算し確認すれば設計可能です。

家の骨格となる基礎と構造だけは
しっかりと計画したいですね。