木こりツアーを開催しました。
- 2017年08月09日
- 木こりツアー
先日の8月5日に、富士山木造住宅協会主催の木こりツアーを開催いたしました。夏休みとあって、沢山のお客様に参加していただき、バス2台でのツアーとなりました。
私の子供たちも参加したのですが、夏休みの自由研究を山の木のことを題材にやりたいというので、それっぽい写真をとりあえずパシャパシャ撮り続けておりました。。。
まず皆さんにご案内したのは、木こりさんたちによって管理されていない荒れ果てた山。ツアーの目的地の山は、SGECという持続可能な森林経営が実現できることが認証された山ですので、見ていただくだけで違いは歴然です。
この写真のように、手入れされていない山には十分な太陽の光が届かず、木は痩せ細り、地面には植物が育たず、なんとなく薄気味悪い印象がありますが、SGECの山は計画的に管理されておりますので、山は明るく、木も太く、地面いっぱいに植物が育つ環境にあり、虫や動物にも住みやすい環境にあります。
適切に間伐されているので、SGECの山の木の間隔が広くなっているのもお分かりかと思います。木の枝にもぶつからない余裕があり、まだまだ木は大きくなりそうです。
SGECの山には多くの杉やヒノキが植えられております。杉とヒノキ、皆さんは見分けることが出来ますか?
木を倒して切り口を見れば一目瞭然です。杉(左)は中心部が赤黒くなっているのが特徴なので違いがすぐに分かります。杉はヒノキよりも成長が早いので、年輪の間隔も杉の方が少し広いですね。
また、葉を見ても違いが分かります。杉の葉(左)は棒状にまるまっているのに対して、ヒノキは平べったく手のひらのような形をしています。立っている木の周りに落ちている葉っぱを探して見てみてください。
また、木の皮もなんとなくですが違います。杉の皮(左)は少し細かくて大人しい感じですが、ヒノキの皮は荒々しくてごつごつした感じです。
山で、「これはヒノキ、これは杉・・・かな!!」と、何気に(少し自慢げに)言ってみてください。きっと少しだけ木のことを知ってるぜ的な優越感を味わえるかも・・です。
木こりツアーでは、機械を使った方法と人力(チェーンソー)での方法の2通りの伐採の方法を見学しました。ハーベスタと呼ばれる機械は、1千万円以上のお値段ですが、安全に効率よくスピーディーに作業が進められるところが魅力かと思います。
機械が入っていけなさそうな急傾斜地などは、やはり人力に頼らざるを得ないかと思います。狙った方向に確実に倒す技術も、訓練して磨かれるのでしょうね。
切り出された丸太が、どのように製材されて家の材料となるのか!!午後からは富士ヒノキ加工協同組合さんの製材所の見学をしました。
まずは皮むきの工程。皮を細かく粉砕したものは農家の肥料などに使われるそうです。
次に木の向きを合わせます。細い方(木の先端側)が前に向くように自動で寸法を測り回転させていきます。
次に所定の大きさに切り出します。ノコギリの歯が縦に動いているところに丸太が通過することで2面の丸みがとれ、90度傾けてもう一度通過させることで、四角い材料が切り出されます。
切り出された周りのところは、厚みや大きさによって間柱などの他の材料として使われ、その他のものはチップとなり、紙の原料として使われます。
参加者の皆様にはこのチップを持ち帰ってもらっています。玄関先においてヒノキの香りを楽しんでもらったり、雑草予防に庭の木の周りに撒いてもらっています。
四角く切り出された柱はまだ水分が多く含んでおりますので、乾燥機に入れて水を抜きます。乾燥機の中の温度で高温乾燥とか低温乾燥に分かれるのですが、富士ヒノキさんは55度の低温乾燥で、じっくり木の中の水分を抜いていきます。高温乾燥は木の表面に割れが出にくくなりますが、木の細胞が壊れてしまうので、木が黒ずんだり、粘りがなくなってしまうため、私は好きではありません。
乾燥機から出された柱は、最終的に厚みを揃えるためにモルダーにかけて表面を仕上げます。
そのあと木の持っている水分量と強さを機械で測り、その結果を刻印します。SD15とは水分量が15%以下であることを示し、E90とかE110はヤング係数と言って木の強さを表しています。数値が大きいほうが強いです。
最後にヤング係数の違いを上に載ってもらい、たわみ方で判定するゲームをして工場見学は終了です。皆さん、暑い中、真剣に見学されておりました。
最後に夏の木こりツアー恒例のカブトムシ&クワガタのつかみ取り大会!! 200匹用意したカブトムシがあっという間に数匹しか残らず。。。大切に育ててくださいね。
次回の木こりツアーは11月18日(土)です。場所を変えて、森の中での体験イベントを多く企画いたしますので興味のある方はお問い合わせください。←申し込みのイベントページへ