樹と幹と

大功建設 社長 大瀧浩司のブログ。家のこと、木のこと、子どものこと・・・日々の想いをつづります。

温熱教室@最終回

6月から始まった全6回の温熱教室も今日が最終日。10月から改正される省エネルギー基準に合わせ、富士山木造住宅協会が主催して「温熱教室」なるものを企画しました。講師は岐阜県立森林文化アカデミーの辻先生。とても分かりやすい説明で、スルスルと新しい情報が吸収されていきます。



最終回の今回の授業は、”結露の危険度判定と気密の効果”です。省エネの家にするという事は、自ずと断熱が強化された家になります。断熱が強化されるという事は、家の外と中とで温度差が生じます。そんな状態で気密性能が悪い家だと、その隙間から入り込んだ空気が徐々に冷やされて、結露の危険が高まるのです。

DSCN9826_R

結露が起これば、カビ・ダニの発生、木材腐朽菌の増加、シロアリの誘因され、人や家に悪影響な要因が増えることとなります。冬に良く使用されている灯油を燃料とした石油ファンヒーター、4Lの灯油を燃焼させると、どのくらいの水蒸気が発生するか分かりますか?

 

約4.5Lもの水が発生しているのです。それがサッシの所などで冷やされて、結露でビシャビシャになっている経験はありませんか?ですので高気密・高断熱の家では、開放型の燃焼系の器具の使用は避けるべきなのです。

 

どのくらい結露しやすい壁構成になっているのかを計算でも調べることが出来ます。”透湿抵抗”と言う、湿気の通しにくい材料を配置することで危険度を下げることが出来ます。グラスウールを使用した充填断熱の一般的な壁構成で外壁の(中:外)の透湿抵抗比の目安が、我々が住む静岡の場合は、2:1くらいと言われています。防湿フィルムというビニールを室内側に貼るのですが、それがないと中々成り立ちません。

 

外断熱を専門とする大功の家の標準の壁構成で計算すると、何と17:1でした。壁内通気層も取っているし、気密を表すC値も0.3c㎡/㎡が平均ですので、はっきり言って結露の心配はありません。安心して暮らしていただける家なのです。

 

今回で辻先生ともお別れですが、来年も別なテーマで講師をお願いしようかとも考えております。今回受講できなかった工務店・設計事務所の皆様、次はスケジュールを調整してでも参加するべきですよ~!!

DSCN9820_R