樹と幹と

大功建設 社長 大瀧浩司のブログ。家のこと、木のこと、子どものこと・・・日々の想いをつづります。

内断熱(充填断熱)と外断熱

こんにちは!!

地元静岡の木を使い、住まい手の皆様の幸せと、

家の省エネ性能を追求した家づくりをしている、

外断熱専門店の大功建設の大瀧です。

 

 

 

なぜ大功の家は外断熱としているのか・・・

 

 

 

とあるサイトで「内断熱vs外断熱、どっちがいいの?」という

消費者向けのQ&Aがあり、それに色糸な工務店が答えるという

ページを見たのですが、あまりにもその答えが薄っぺらで、

消費者の皆様が間違った判断をしかねないと思ったので

ちょっと(長文ですが)コメントさせていただきます。

 

 

 

そもそも、何をもって良い悪いの判断をするのかにもよりますが、

内断熱をグラスウール、外断熱を発砲ポリスチレンフォームと

一般的な断熱材で考えたいと思います。

 

 

 

結論から申しますと、グラスウールもポリスチレンフォームも

きちんと断熱施工がされれば、理論上(計算上)断熱性能は変わりません。

断熱材は厚いほど性能が上がるので、グラスウールの方が性能は上げやすいです。

「きちんと」施工が出来ればですが・・・・

 

 

 

「きちんと」断熱施工がされたかどうかを調べる試験に

気密測定試験というものがあります。

この試験を行うと、家にどのくらいの大きさの隙間があるのかを

簡単に調べられて、C値(シーチ)というパラメーターで表されます。


 

 

 

外断熱の大功の家のC値はアベレージで0.2~0.3㎠/㎡です。

外断熱の家はポイントを押さえれば、簡単にこのくらいの数値は出ます。

いい家に住みたいならば、このくらいの数値は欲しいですね。

 

 

 

内断熱の家はどうか?

グラスウールの家でも「きちんと」施工できればこの位の数値は出ます。

が、メチャクチャ丁寧に施工しないとこの数値は出ないのですが、

出せる技術のある大工さんは殆どいません(数人しか知りません)。

全棟C値を測定しているという工務店もどの程度いるものか(いたらゴメンナサイ)。。。

 

 

 

 

C値が1.0程度で高気密と呼んでいる家もありますが、

家の余計な隙間から50%以上も外部の空気が入って来ている事をご存知ですか?

第三種換気と呼ばれる換気方式を取っているのでしたら

壁の隙間から換気に必要な空気の半分が入って来ている事になります。

湿気が多い空気が入ってきた場合に、壁の中の状況によって結露します。

結露水によってカビが発生したり、木が腐朽したり、

壁の中が大変なことになっている状況に気が付かずにいる可能性もあります。

隙間を少なくすることで、このようなリスクを少なくすることが出来るのです。


 

 

 

 

内断熱と外断熱を比較した時に、

外断熱はコストが高いと言われることが良くあります。

確かに断熱材の材料費だけを比較すると、グラスウールの方が安いです。

ですが、断熱施工費を考えた場合はどうでしょうか?

 

 

 

 

内断熱を「きちんと」施工するためには外断熱以上に手間が掛かります。

ですが、「きちんと」施工するための手間代を大工さんに払っていますか?

これまで通りの手間代では「きちんと」なんて到底無理でしょう。

その手間代を考えた時、先ほどの材料費の差額は殆ど無くなってきます。

 

 

 

 

また、隙間が少なければそれだけ暖冷房負荷が低減されるので、

住んだ後のランニングコストが変わってきます。

長期的に見ても家の隙間を少なくしやすい外断熱の方が

メリットが多いと考えております。

 

 

 

また、外断熱は外壁の重みでたるみ易いという声も多いです。

こちらもやり方によってはビスにかかる負担も多くなると思います。

もちろん大功の家は独自の方法でこちらも解決済み。

タイル張りやALCの重量のある外壁を何件も施工してきましたが

全く問題ありません。

 

 

 

その他、熱橋の問題や壁からの輻射熱の感じ方、住み心地の違い、結露リスクの少なさなど

外断熱の良いところはまだまだあるのですが、大功の家が外断熱を採用している理由をまとめると

 

設計通りの断熱性能が大工さんの技量で大きく左右されずに保たれやすい事。

簡単に目視で断熱工事が適切に行われたのかをチェックできる事。

家の隙間を少なく施工しやすく、管理しやすい事。

お客様に自信をもって快適な暮らしを提供できる事。

施工する大工さんや協力業者さんが、いい家だと太鼓判を押してくれる事。

 

などがあります。

何より20年以上、外断熱の家一筋でやってきて

お引き渡したお客様から、「いい家だよ」「快適だよ」「建てて良かったよ」

といった声を頂けていることが全てかと思います。

 

 

 

私や大工さんに内断熱を施工する技術や知識があったとしても

私は内断熱の家を自信をもってお客様に提供出来ないと思います。

ただし今後、家の性能をアップしていくために外断熱をベースに

壁の中への付加断熱も検討していく必要があると考えています。

あくまでも外断熱ベースですが・・・

 

 

 

 

今回、外断熱押しの意見を書きましたが、内断熱押しの意見も聞いて

皆様が納得できる工法を採用して頂ければと思います。