樹と幹と

大功建設 社長 大瀧浩司のブログ。家のこと、木のこと、子どものこと・・・日々の想いをつづります。

基礎コンクリート 「羽鳥の家」・・・その6

打設したコンクリートを所定の日数養生して、型枠を脱型しました。養生期間中に雨に降られ、適度な湿潤状態が保たれたので助かりました。



 

大功の基礎の特徴は以下の通り。

①高強度のコンクリートの使用(圧縮強度が30N/mm2)

②基礎断熱(基礎内断熱)ソーラーサーキットの家の場合は基礎外断熱

③コンクリートが厚い(スラブ、立ち上がり共に18㎝)

④間仕切りが少ない(地中梁基礎)

⑤基礎断熱なのに床下換気口が有る

⑥基礎コンクリートの表面(巾木)に左官仕上げ無し(一発仕上げ)

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上記の特徴によるメリットを簡単に説明しますと、

① コンクリートは強度が高ければ高いほど、コンクリートの耐用年数が長い。

② 基礎内断熱はシロアリ被害のリスクが少ない。基礎内断熱は基礎外断熱よりも温熱環境的に劣ると言われていますが(私はそう思わない)、温暖な静岡ではその差が感じられない。床下の空間が室内環境になるので、床下も含めた生活プランの提案が可能。

③ コンクリートが厚い話は①の耐用年数と関係する。コンクリートの表面から鉄筋までの寸法(かぶり)が重要で、アルカリ性のコンクリートが中にある鉄筋を錆から守っているのですが、コンクリートのアルカリ性も表面から徐々に中性化されて、やがて鉄筋まで到達し鉄筋が錆び、錆の分膨張しコンクリートを破壊してしまうので、コンクリートが厚く、適切なかぶりを確保するのがとても重要。

④ 耐力壁が来るところの下だけに布基礎が来るようにしているので、基礎に間仕切りが少なく、空気が滞留することなく通いやすい環境にある。また、毎年のメンテナンスの点検がしやすい状況にもあります。

⑤ 建築基準法的には基礎断熱には床下換気口を作らないでとあるのですが、開閉できる断熱仕様の床下ダンパーを付けることで・・・㊙の効果が!!・・・

⑥ 中性化速度を抑える意味では表面に何らかの仕上げをすることの方が効果は高くなるが、仕上げ材とコンクリートの間に隙間が出来てしまった場合、そこからシロアリが侵入してくる可能性があるので私はあまり採用しません。左官費用も掛からずにコストダウン!!

 

以上のちょっとした工夫は、実は幾らもコストアップにならないで可能です。数万円のアップで何十年もコンクリートの耐用年数がアップするなら、やらない手はないと私は思うのですが、皆さんは如何ですか?

 

基礎工事を担当してくださっている鳶の宮田組さん、いつも綺麗な仕事をして下さるので同業者からも引っ張りだこ!! 基礎の工事を見学に来る地域の方々とも、良好な関係を築いて下さるので、後から工事に入る我々大工が現場に入りやすい環境になっていて大助かり。いつもありがとうございます。

 

いよいよ大工工事です。