樹と幹と

大功建設 社長 大瀧浩司のブログ。家のこと、木のこと、子どものこと・・・日々の想いをつづります。

風量測定

先日、お引き渡し前のお宅の風量測定を実施しました。風量測定ってご存知ですか?窓から入ってくる風の強さではありません。設置が義務付けられている換気設備が、計画した通りに空気を吸っているのかを調べる試験です。



 

住宅の中で人が生活すれば、呼吸で二酸化炭素が出たり、炊事や洗濯などで大量の水蒸気が出たり、持ち込んだ家具などからの科学物質が出たりと、空気を汚す要素が沢山あります。通常、一人が必要な1時間当たりの換気量は20~30㎥と言われていますので、4人家族でしたら120㎥の換気量が1時間に必要となります。240㎥の気積の家だと1時間に0.5回(2時間に1回)の割合で、家の中の空気を入れ替える必要があります。

 

最近新築した家でしたら換気装置が付いていると思いますが、ちゃんと動かしていますか?まさか、電源を切ってはいませんよね!!

 

大功の家で多く採用されているのがこちらの換気装置です。第三種換気と呼ばれる換気方法を採用しているので、こちらの機械で空気を強制的に家の外に排出して、給気口から自然と空気が入ってくる計画です。タコの足のように伸びているダクトが、トイレや洗面所や各居室などに伸びていて空気を吸い上げている仕組みです。

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壁の中や天井の裏にダクトを配管するので、曲がったり潰れたりしている可能性があります。管が変形すればするほど抵抗が増して、機械が10の力で吸い上げようとしても半分以下しか実際に吸われていない場合もあります。そこで、実際にどれだけの量を吸っているのかを確かめるために風量測定を行っているのです。

 

大功の家は新築してお引き渡しした後は、毎年必ずメンテナンスにお邪魔させて頂く体制が整っておりますので、1年に1回風量測定を実施して機械の能力が低下していないかをチェックしておりますのでご安心を!!

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気密と換気のことをネットで調べていたら、判りやすいグラフが出ていたのご紹介します。計画した給気口からどれだけの空気が入っているのかを気密性能との関係性を示したものです。今回計測したお宅の気密性能(C値)は0.2㎠/㎡ですので、95%くらい計画した給気口からちゃんと空気が入っていることが分かります。

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C値が1.0で高気密住宅だ!!と言っている家でも50%くらいしか給気口から空気が入っていなくて、残りの50%は想定していない壁や天井の隙間から空気が入ってきているのです。夏の湿った空気が家の隙間からドンドン侵入してきて、思いもよらない壁の中で結露して、カビが繁殖して、家が腐って、病気になって・・・怖いですね。。。

 

これから省エネ法が改正されて断熱性能の高い家がどんどん増えて行きます。が、気密や換気のことも真剣に考えて計画しないと、かえって危険な家を増やしてしまうことにも成りかねません。家のデザインを考える前に、壁の中のことをまず考えてみましょうね!!